いにしえの麻の産地

朝から雨模様を感じるグレーの雲が広がる連休初日の3日、

約束を果たすため栃木県の山あいの里へ行って来ました。

 

栃木県には古来、麻の産地がありました。

葛生・皆川・永野・鹿沼地方です。

今はわずか献上手が鹿沼で作られるだけになっているようですが

最盛期には背が高く伸びる麻のトンネルの中をくぐって

小道を歩き学校へ通ったこともあるほど

盛んな時期もあったそうです。

 

麻と云えば

成長が早く繊維を糸にして機織りをして布を紡ぎます。

通気性のいいことから

夏にさらっとした天然繊維の衣類として

重宝されてきました。

麻には40~50種類あり、リネン・ヘンプと云えば

ハンドメイド、洋裁好きな方にはお馴染みの言葉だと思います。

亜麻色の髪の乙女』という詩がありました。

亜麻色とは

亜麻糸の色・黄色がかった薄茶色です。

麻の繊維を織った色からきているようです。

小麦のような色なのでしょうか。

未来少年コナンの麦畑風景を思い出します。

 

麻を巡る旅は

あちこちでたくさんのお話が聴けました。

お話できて、お会いできて嬉しかったです。

 

どの事柄にしても

長所と短所は存在する。どう受け取るか。

自分のこころが決めます。

 

昼間は晴れ間が広がり、夕方にはどんより曇り空に

メイ・ストームをイメージする風が吹き始めました。

思わず

「め~~い、ちゃ~ん!」

といってしまう名セリフの登場の空気感です。

目には見えない猫バスがにんまりと

跳ねまわっているかのような田圃風景が広がります。

まるでひとのこころとおんなじ、

泣いたり笑ったり怒ったりの空模様。

また足を運んで見たい、聴きたい、出逢いたい

と感じる5月(さつき)の一日でした。

 

最後に立ち寄ったお宅で

昔使われていた木綿の布地を一緒に探していました。

「よく木綿だってわかるね?」

と感心されたような不思議に思われたように声をかけられました。

「いつも触っていたり、

身近にいることでだんだんわかって来ます」

とお答えし

「でも失敗もあるんです。化繊やモスリン、混ざっているモノを持ってきてしまうこともあります。」

と言いました。

すると

「失敗があるからわかるようになるんだね。」

と言ってくださいました。

まったくその通りです。

成功成功だけな人は稀です。

そして

順風満帆に歩を進めてきた人ほど

転んだ時にどうしていいのか忘れてしまいます。

右手をついていいのか・・

左手をついていいのか・・

お尻から行っていいのか・・

 

とあるひとつの事柄から裏切られたから

こちらも裏切る?

世論がこう言っているから

非難されたくないために、無難な道を選ぶ?

排除する体質より

本質を受け容れ本質を見極めたいですね。

 

もちつもたれつ

発展してきたのですから。

 

山口さん

一緒にリアル鉄腕ダッシュしませんか。

ご自分がしてきた経験や技術が生かせます。

 

いにしえの麻のおはなしから

現在のおはなしへ

 

筆 一月三舟

 

 

 

 

 

 

麻は成長が早いことから

麻の葉模様としても重宝され

子供服にも好んで使われました。

組子欄間にもその意匠は使われ、今でも根強い人気です。

子供の成長・家の成長を願う気持ちは

今も昔も同じです。