東松山の歴史をみてきた階段箪笥

CAFE店内に階段箪笥があります。

CAFE&antiqueのお店を創りたいと

駆け回っていた時に

東松山市内の大正時代くらいの素敵な古民家住宅に

昭和初期くらいのモダンな床屋さんが併設された『島野床屋』

『BARBERシマノ』さん宅に佇んでいたモノになります。

建てモノの魅力に惹き寄せられ

ここでCAFEをつくりたい!と思い何度か足を運びました。

 

東松山市には材木町という町名があります。

その昔、秩父あたりから材木を運んでいたこと、

その運ばれた材木で建てモノを作ったりしていたと聴きました。

 

住んでいた方とも大家さんとも

お話しになんどか伺わさせていただきました。

秩父事件』の際に暴徒に襲われ

柱に刀疵もありますよと見せていただいたこともあります。

 

願いは補修という

広大な金額の壁にぶつかってしまいました・・

古民家をリノベーションするには

じっくり時間をかけて自分たちの手で行うか

金額をかけてプロの業者さんに頼むかと

その当時は二択をしていました。

どちらにしても

補修金額を貯めようと悪戦苦闘をこちらがしているあいだ

待っていただいたりもしましたが

そののち

売却が決まってしまいました。

そのかわり

大家さんが古い時代のモノに理解してくださっていたので

取り壊しの前に

形見分けのように譲っていただくことが出来ました。

 

人とともに暮らし何代にもわたり使い込まれた

寂びれた風合いが残されている

今はお店を支えてくれる存在の階段箪笥です。

 

骨董屋さんとして古道具を扱っていますので

いつかは手放す日、お嫁に出す日もきてしまうのかも・・

と思うと心の中は揺れています。

静かに見守る看板娘?看板おばあちゃんかもしれない存在。

夢を実現するための拠り所として

心も支えてくれていたのですね。

 

貴方はもう大丈夫よ

と言ってくれてるのかな。

まだまだ甘えてもいいのかな。

 

筆 一月三舟